殺虫剤大手の大日本除虫菊株式会社(KINCHO)は、2026年3月4日に「気温別・害虫出没カレンダー」をnoteで初公開した。二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」にあたる3月5日の前日に合わせた公開で、冬を越した虫たちが目覚める時期に、どんな害虫にいつ注意すべきかを視覚的に整理した内容だ。
カレンダーの概要と特徴
このカレンダーは、KINCHOが長年にわたる害虫研究と顧客対応のデータを基に作成したもの。東京・大阪など太平洋側の温暖湿潤な気候を基準にしており、害虫ごとの「注意期間」を色の濃さで表現している。色が濃い時期ほど、その害虫の発生・活動が活発になることを示す。
KINCHOは「年や地域によって±1か月程度のずれがある」と注記しており、あくまで目安としての活用を推奨している。ただし、害虫の出没は桜の開花から紅葉の時期までの約半年間に集中するという傾向は、全国的にほぼ共通だという。
4月に注意すべき害虫
カレンダーによると、4月は以下の害虫に特に注意が必要だ。
ムカデ(4月中旬〜)
気温が15度を超える日が増える4月半ばから活動を開始する。ムカデは家の隙間から侵入し、噛まれると強い痛みと腫れを引き起こす。湿気の多い床下や浴室周辺は特に注意が必要だ。
ヒメマルカツオブシムシ(4月下旬〜5月)
成虫が大量発生するのは4月下旬から5月にかけて。成虫自体は衣類を食害しないが、産卵後に孵化した幼虫がウール、シルク、カシミヤなどの動物繊維を食い荒らす。洗濯物への飛来が侵入経路の一つであり、白い衣類やタオルに集まりやすい習性がある。
ゴキブリ(活動再開)
冬の間は活動が鈍っていたゴキブリも、気温の上昇とともに活動を再開する。4月は本格的な繁殖期の手前であり、この段階で対策を講じることが、夏の大量発生を防ぐカギとなる。
春の害虫対策のポイント
KINCHOのカレンダーが示す通り、害虫対策は「出てから対処」ではなく「出る前に備える」ことが重要だ。害虫発生の季節別カレンダーでも解説されている通り、4月は多くの害虫が動き始める転換期にあたる。
具体的には、ムカデ対策として家の周囲(基礎部分)への粉剤の散布、ヒメマルカツオブシムシ対策として衣替え時の防虫剤の設置と洗濯物の屋内干し検討、ゴキブリ対策として毒餌(ベイト剤)の設置と侵入経路の遮断が有効とされる。
業界の動き:トコジラミ問題も依然として継続
春の害虫対策が話題になる一方で、害虫駆除業界では引き続きトコジラミ(南京虫)問題が注目されている。2025年に過去最高の4,270万人を記録した訪日外国人旅行者の増加に伴い、害虫駆除業者への相談件数は東京・大阪を中心に高止まりが続いている。大手害虫駆除企業では探知犬を使った客室検査を30,000室以上で実施しており、従来の殺虫剤が効きにくい「スーパー南京虫」への対応が業界の課題となっている。
