自宅にゴキブリが大量発生したり、庭にハチの巣ができたりしたとき、「市役所に頼めば無料で駆除してもらえるのでは?」と考える方もいるでしょう。
市役所や保健所では害虫に関する相談を受け付けていますが、一般家庭の害虫を必ず駆除してくれるわけではありません。ただし、自治体によってはスズメバチの巣の駆除費用を助成したり、防護服を貸し出したりしています。
この記事では、市役所に害虫駆除を依頼できるケースと、実際に利用できる支援制度、相談する際の注意点を解説します。
害虫駆除は市役所や保健所にお願いできる?

市役所が害虫駆除に対応するかどうかは、発生場所や害虫の種類、自治体の制度によって異なります。
例えば、大阪市では、ネズミや衛生害虫について各区の保健福祉センターで防除方法などを相談できます。一方、市による駆除や薬剤の配布は行っていません。
つまり、「相談できること」と「実際に駆除してもらえること」は別です。
自宅や私有地の害虫は所有者・管理者による対応が基本
一般家庭で発生したゴキブリやコバエ、私有地にできたハチの巣などは、所有者や管理者が対応するよう案内している自治体があります。
例えば、大阪市では、ハチの巣の駆除が必要な場合、土地の所有者または管理者が責任を持って対応することとしています。駆除方法の案内や有料の専門業者の紹介については、区の保健福祉センターに相談できます。
ただし、自治体によっては独自の駆除制度や助成金があるため、業者を呼ぶ前に公式サイトを確認しておくとよいでしょう。
公園や道路などで見つけた場合は管理者へ連絡する
公園や道路など、公共の場所に危険なハチの巣がある場合は、その施設の管理者に連絡しましょう。
東京都武蔵野市では、市立公園や市道の街路樹にできたスズメバチの巣を市が駆除すると案内しています。
ただし、市が管理していない道路や施設については、別の管理者への連絡が必要になる場合があります。
巣には近づかず、発見場所を伝えて対応を相談してください。
害虫駆除に補助金は出る?自治体の支援制度を比較
害虫駆除に対する補助金は、全国一律の制度ではありません。自治体ごとに対象となる害虫や申請条件、補助金額が決められています。
2026年9月時点で確認できる、スズメバチの巣に関する制度の例を紹介します。
| 自治体 | 確認できた支援内容 |
|---|---|
| 東京都武蔵野市 | 条件を満たす駆除費用を助成。防護服などの貸出も実施 |
| 埼玉県深谷市 | 登録駆除業者に依頼したスズメバチの巣の駆除費を2分の1、上限5,000円まで補助 |
| 茨城県水戸市 | スズメバチの駆除費を2分の1、上限10,000円まで補助 |
| 埼玉県川口市 | 原則として無償駆除を終了。一部の住民税非課税世帯には例外あり |
例えば武蔵野市では、要件を満たすスズメバチの巣について、駆除費用の2分の1を助成しています。住民税課税世帯の場合、通常のスズメバチは上限15,000円、オオスズメバチは上限25,000円です。住民税非課税世帯では、別の上限額が設定されています。
一方、川口市は2026年4月から民有地のスズメバチの巣の無償駆除を原則終了しました。ただし、住民税非課税世帯で自力での駆除が困難と判断される場合は、例外的に無償駆除の対象となります。
このように、以前は利用できた制度が終了することもあるため、古い記事の情報だけで判断しないようにしましょう。
補助金を利用する前に確認したい3つの条件

補助金の申請では、特に次の点を確認しておく必要があります。
- 対象となる巣:スズメバチに限定され、アシナガバチやミツバチが対象外となる場合があります。
- 業者の指定:深谷市のように、市の登録駆除業者への依頼が条件となる制度があります。
- 申請書類と期限:領収書や駆除前後の写真が必要になる場合があります。
深谷市では、領収書の発行日から30日を経過する日までに申請する必要があります。武蔵野市では、駆除を行った年度の3月末日が申請期限です。
助成を受けたい場合は、依頼前に自治体の公式ページで条件を確認し、必要な写真や書類を業者にも伝えておきましょう。危険な巣に近づいて、自分で撮影する必要はありません。
市役所で防護服や駆除用品を借りられる?
自治体によっては、ハチの巣を自分で駆除する人に向けて、防護服などを無料で貸し出しています。
例えば、武蔵野市では防護服や駆除スプレー、深谷市では防護服の貸出制度があります。深谷市は殺虫剤を提供していないため、借りられる用品にも違いがあります。
なお、防護服を借りられるからといって、安全に駆除できるとは限りません。
スズメバチの巣や高所にある巣など、危険な作業は無理に自分で行わず、専門業者への依頼を検討してください。
市役所に相談する際の手順と業者選びの注意点
害虫が発生したら、まずは発生場所と管理者を確認しましょう。
賃貸住宅の場合は、管理会社や大家に先に連絡するのが基本です。隣家にできたハチの巣についても、無断で駆除するのではなく、所有者や管理者に相談してください。
自治体に問い合わせる際は、次の内容を伝えると状況を説明しやすくなります。
- 害虫の種類と発生場所
- 発生している数や、巣がある場合は分かる範囲での大きさ
- 自宅・賃貸住宅・公共施設など、場所の管理状況
- 駆除の対応可否、補助金や貸出制度の有無
自治体で駆除できず、民間業者に依頼する場合は、作業内容と総額を確認してから契約しましょう。
国民生活センターは、ネット広告で「500円~」と表示されたハチ駆除業者に依頼し、作業後に約15万円を請求された相談事例を公表しています。
広告の最低料金だけで判断せず、出張費や追加作業費を含む見積もりを確認してください。料金や契約内容に納得できない場合は、消費者ホットライン「188」への相談も選択肢です。
まとめ|害虫駆除を頼む前に自治体の制度を確認しよう
市役所や保健所では害虫に関する相談ができますが、一般家庭の害虫を必ず駆除してくれるわけではありません。
一方、自治体によってはスズメバチの巣の駆除費用を助成したり、防護服などを貸し出したりしています。
制度の対象や申請条件は自治体によって異なるため、業者へ依頼する前に、お住まいの市区町村の公式情報を確認しましょう。危険なハチの巣など、自分で対応するのが難しい場合は無理をせず、専門業者に相談してください。
