ダスキン ターミニックスが「発泡施工」を全国導入――床下に潜らないシロアリ駆除が業界の常識を変える

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ダスキンが「床下に潜らない」シロアリ駆除を全国展開――発泡施工とは何か

2026年4月1日、ダスキンのターミニックス事業部は、シロアリ駆除サービスの新施工方法「発泡施工」を全国の加盟店で導入開始した。従来のバリア工法では作業員が直接床下に潜り薬剤を散布していたが、発泡施工では点検口から専用の発泡機を使い、泡状の薬剤を床下空間全体に充填する。作業員が床下に入る必要がなくなる点で、シロアリ駆除業界にとって大きな転換点となり得る動きだ。

発泡施工の仕組みと従来工法との違い

発泡施工の手順は次の通り。まず床下点検口を専用パネルで密閉し、発泡機をセットする。スイッチを入れると、安全性に配慮した低臭の薬剤が泡状に噴出され、床下空間を短時間で満たしていく。施工の完了は、最も遠い換気口から泡があふれ出すことで視覚的に確認できる。

従来のバリア工法と比較して、以下の3つの点で大きく異なる。

  • 作業員の安全性向上:狭い床下での長時間作業が不要になり、ほこりやカビへの暴露リスクが大幅に減少
  • 施工品質の均一化:人の手による散布ムラがなくなり、泡が物理的に行き渡ることで薬剤到達範囲が可視化される
  • 施工時間の短縮:床下への出入りや這い回る作業が不要なぶん、工事全体の所要時間が圧縮される

導入の背景――バリアフリー住宅の増加と人手不足

この新工法が開発された背景には、住宅構造の変化と害虫駆除業界の人材問題がある。

バリアフリー化推進により、段差を解消した住宅が増加している。その結果、床下の高さが従来の住宅より低くなり、作業員が物理的に潜れない、または潜っても身動きが取れない現場が増えていた。国土交通省の住宅着工統計でもバリアフリー対応住宅の割合は年々上昇しており、「床下に潜る」前提の工法は構造的な限界に近づいていた。

加えて、害虫駆除業界では作業員の高齢化と若手採用難が深刻化している。炎天下や冬季の床下作業は身体的負担が大きく、離職率の一因にもなっている。発泡施工は、こうした労働環境の改善にも直結する技術革新といえる。

発泡施工の料金体系と保証内容

項目 バリア工法(従来施工・発泡施工共通) ベイト工法(参考)
施工単価 1m²あたり2,475円(税込) 初回:外周1mあたり4,092円(税込)
定額プラン 1階床面積50m²まで一律123,750円(税込) 2ヶ月目以降:外周1mあたり132円(税込)
効果持続期間 5年間 継続管理型
保証期間中サービス 年1回の無料ハウジングチェック 定期点検あり
全国対応 538店舗(一部未対応あり) 538店舗

注目すべきは、発泡施工でも従来施工と同じ料金体系で提供される点だ。追加料金なしで新工法を選択できるため、消費者にとってのハードルは低い。ただし「一部の店舗では取り扱いがない場合がある」とダスキンは注記しており、導入状況は地域によって差がある可能性がある。

業界関係者の見方

害虫駆除業界でこの動きをどう受け止めているか。

ある大手PCO(害虫駆除事業者)の技術部門責任者は「発泡による処理自体は海外では以前から採用例があるが、全国チェーンが標準メニューに組み込んだのは国内初だろう。品質のバラつきが減るため、フランチャイズモデルとの相性が良い」と評価する。

一方、地場の駆除業者からは「床下の目視確認が省略されるなら、被害箇所の特定精度に懸念が残る。泡が行き渡ったことと、実際にシロアリが死滅したことは別の話だ」との指摘もある。

日本しろあり対策協会の関係者は「作業員の安全確保と施工効率の両立は業界全体の課題。ダスキンの取り組みが成功すれば、他社も同様の技術開発を加速させるだろう」と業界波及への期待を示す。

一般家庭が知っておくべきこと

4月はヤマトシロアリの羽アリが群飛を始める時期であり、シロアリ駆除の相談件数が年間で最も増える月だ。国土交通省の補助事業として行われた全国調査では、築25年以上の住宅の約5軒に1軒でシロアリ被害が確認されている。

一般家庭にとって発泡施工のメリットは次の点にある。

  • 在宅施工のストレス軽減:床下のほこりやカビ臭が室内に流入しにくい密閉施工のため、施工中の不快感が減る
  • 工期短縮:作業時間が短くなることで、在宅中の拘束時間も縮まる
  • 低床住宅でも対応可能:これまで「床下が低すぎて施工できない」と断られていた住宅でも駆除を依頼できる

ただし、発泡施工は万能ではない。被害が進行して木材の強度が著しく低下している場合や、複雑な構造の床下では、従来のバリア工法や床下点検を伴う対策が依然として有効なケースもある。施工前の点検で被害状況を正確に把握することが、どの工法を選ぶにしても最も重要なステップだ。

害虫駆除業界への波及効果

ダスキンの発泡施工導入は、業界全体にいくつかの波紋を広げる可能性がある。

第一に、作業員の確保・定着の面。床下に潜らない施工が一般化すれば、「きつい・汚い」というイメージが変わり、若手の採用にプラスに働く。ダスキン自身も「将来的には”床下に潜らない施工”を標準とするサービス体系の実現を目指す」と表明しており、これは業界のロードマップに影響を与える発言だ。

第二に、施工の標準化と品質管理。フランチャイズ加盟店ごとの技術力の差を、機械と泡で平準化できるなら、消費者にとっての安心感は増す。逆に、「職人の腕」を売りにしてきた地場業者は差別化戦略の見直しを迫られる。

第三に、アサンテとウェザーマップが共同で展開するシロアリ実況マップのような予測技術との連携可能性だ。どの地域でシロアリリスクが高まっているかをリアルタイムで把握し、発泡施工で迅速に対応するという組み合わせが実現すれば、予防型サービスの精度が飛躍的に高まる。

シロアリ駆除の主要サービス比較

サービス名 施工方法 料金目安(税込) 保証期間 特徴
ダスキン ターミニックス(発泡施工) 泡状薬剤の床下充填 2,475円/m²〜 5年 床下に潜らない新工法、全国538店舗
ダスキン ターミニックス(ベイト工法) 毒餌ステーション設置 外周1mあたり4,092円〜 継続管理 薬剤散布なし、コロニー全滅を狙う
アサンテ バリア工法中心 要見積もり 5年 東証プライム上場、施工実績トップクラス
シロアリ110番 提携業者のバリア工法 1,320円/m²〜 5年 全国対応マッチングサービス、価格競争力
地場専門業者 各種対応 業者による 5年が主流 地域密着型、細やかな対応

まとめ:「潜らない駆除」は業界のターニングポイントになるか

ダスキン ターミニックスの発泡施工は、単なる新商品ではなく、シロアリ駆除業界の「施工の前提」を覆す取り組みだ。バリアフリー住宅の増加、作業員の安全確保、施工品質の均一化という3つの課題に対して、泡という物理的なアプローチで一つの解を示した。

4月はシロアリの活動が本格化する時期。羽アリを見つけたら、まずはシロアリ発生指数で地域のリスクレベルを確認し、複数社から見積もりを取って工法を比較検討することを勧める。発泡施工という選択肢が加わったことで、消費者にとっての比較軸が一つ増えた。それ自体が、業界の競争と進化を促す健全な変化だ。

ダスキン コンタクトセンター:0120-100100(年中無休 8:00〜20:00)

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