シロアリ対策で国内売上シェアNo.1を誇る株式会社アサンテ(東証プライム・東京都新宿区)が2026年4月15日、気象会社・株式会社ウェザーマップ(東京都港区)との協業で「シロアリ実況マップ2026」を公開した。ヤマトシロアリの羽アリが一斉に巣を飛び立つ「群飛(スウォーム)」シーズンに合わせ、発生地点のリアルタイム表示・3段階の群飛注意報・5県10箇所の定点観測写真の3本柱で、住宅オーナーや害虫駆除事業者に早期対応を促す狙いだ。
シロアリ実況マップ2026の3つの柱
マップはアサンテ公式サイト上で無料公開されており、以下の3コンテンツで構成される。
(1)シロアリ発生マップ ― 毎日更新のリアルタイム地図
顧客からの問い合わせ受理地点や、床下診断・シロアリ防除を実施した地点をGoogleマップ上に日ごとにプロットする。ピンには「受付番号・受付日・郵便番号」のみを表示し、個人情報は含まない。2025年度は累計3,000件以上の発生情報が地図上に蓄積された。
(2)羽アリ群飛注意報 ― 3段階の警戒レベルを毎日配信
ウェザーマップが独自に開発した予測アルゴリズムを用い、「注意」「警戒」「厳重警戒」の3段階で群飛リスクを発信する。予測の基盤には、アサンテが保有する17年分のシロアリ調査・施工データと、ウェザーマップのリアルタイム気象解析データを掛け合わせている。発表単位は気象庁の一次細分区域で、地域ごとの細やかなリスク判定が可能だ。
(3)定点観測 ― 5県10箇所の時系列写真
福島・栃木・神奈川・静岡・愛知の5県に設置した10箇所の観測点で、羽アリが地中から飛び出すプロセスを時系列写真で追跡する。地域ごとの発生タイミングの差異や、活動が活発化する兆候をリアルタイムに把握できる。
なぜ「気象×シロアリ」なのか ― 背景と企業概要
ヤマトシロアリの群飛は気温と湿度に強く依存する。気象予報士の江花純氏は「近年の温暖化で気温上げ幅が大きくなる傾向があり、群飛のタイミングも年々複雑化している」と指摘。単純に「4月下旬〜5月上旬」という目安だけでは予測が難しくなっている現状がある。
アサンテは1970年に東京都府中市で三洋消毒として創業し、50年以上にわたりシロアリ防除を手がけてきた。施工実績60万軒超、全国約80箇所の事業所を構え、約200の農協・生協と提携。2025年度のピークは4月30日と5月7日に記録されており、2026年も4月下旬からの急増が見込まれる。
一方のウェザーマップは、気象キャスターの森朗氏が代表を務める民間気象会社で、テレビ局向けの天気予報だけでなく、産業向けの気象コンサルティングにも強みを持つ。両社の協業は2024年から始まっており、今回で3年目となる。
データで見るシロアリ実況マップの仕組み
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発生マップの情報源 | 顧客問い合わせ・調査依頼・防除施工地点 |
| 更新頻度 | 毎日(前日分を翌日追加) |
| 2025年度の累計プロット数 | 3,000件以上 |
| 群飛注意報の段階 | 注意 → 警戒 → 厳重警戒(3段階) |
| 予測データ基盤 | アサンテ17年分の施工データ + ウェザーマップ気象解析 |
| 発表区分 | 気象庁の一次細分区域ごと |
| 定点観測箇所 | 福島・栃木・神奈川・静岡・愛知の5県10箇所 |
| 2025年度ピーク日 | 4月30日、5月7日 |
業界関係者の声
気象予報士・江花純氏(ウェザーマップ)は「アサンテ独自の観測網は、数千件レベルの実地データに裏付けられている。この規模の生データを持つ害虫駆除事業者は他にない。ウェザーマップの気象予測と掛け合わせることで、従来は経験則頼みだった群飛予報を定量的に発信できる」と語っている。
住宅リフォーム業界の関係者からは「シロアリ被害は発見が遅れるほど修繕費が膨らむ。リアルタイムの発生マップがあれば、近隣での発生を確認した時点でオーナーに床下点検を提案できる。営業ツールとしても実用性が高い」との反応が出ている。
不動産管理業務に携わる宅建協会関係者も注目しており、東京都宅建協会のニュースサイトではこのマップを取り上げ「入居者や物件オーナーへの情報提供ツールとして管理会社が活用できる」と紹介している。
読者への影響 ― 一般家庭・事業者がとるべき対策
一般家庭向け:4月下旬〜5月の行動チェックリスト
- マップを週1回チェック ― 自宅周辺で発生ピンが増えていないか確認する。特に築10年以上の木造住宅は要注意
- 群飛注意報が「警戒」以上なら床下点検を検討 ― アサンテは無料の床下診断を提供中(電話:0120-557-419)
- 羽アリを室内で発見したら証拠を保全 ― 数匹をテープに貼り付けて業者に見せると、ヤマトシロアリかイエシロアリかの判定が早い
- 換気口・基礎周りの落ち葉やゴミを除去 ― 床下の湿気はシロアリの繁殖条件を満たすため、通気確保が最優先
害虫駆除事業者向け
- マップを営業エリア分析に活用 ― 自社対応エリア内の発生密度を定量把握し、ポスティングやDMの配布地域を絞り込む
- 群飛注意報をSNS発信に連動 ― 「本日の警戒レベル」を地域住民向けに発信することで、問い合わせ動線を作れる
- 定点観測データを顧客説明に引用 ― 写真付きの経時変化は、シロアリ被害の切迫性を伝える説得材料になる
業界への波及 ― 害虫駆除×気象データの新潮流
害虫駆除業界では長年、「経験と勘」に頼る面が大きかった。施工時期の判断、営業エリアの選定、薬剤選択のいずれも、ベテラン技術者の暗黙知に依存する部分が少なくない。アサンテとウェザーマップの取り組みは、この構造をデータドリブン型に転換する試みとして注目に値する。
米国ではAptiveが2026年春の害虫予報レポートを公開するなど、気象データと害虫発生予測を組み合わせるアプローチが広がりつつある。日本国内でも、4月のシロアリ・羽アリ対策への関心が高まるなか、アサンテの実況マップは業界のデータ活用を一歩前に進める事例といえる。
今後の焦点は、このデータがオープン化されるかどうかだ。現時点ではアサンテの自社サイト内での公開にとどまるが、APIやデータ連携の形で他の駆除事業者や不動産管理会社に開放されれば、業界全体の底上げにつながる可能性がある。
サービス概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | シロアリ実況マップ2026 |
| 提供企業 | 株式会社アサンテ × 株式会社ウェザーマップ |
| 公開日 | 2026年4月15日 |
| 公開期間 | 4月〜6月(群飛シーズン終了まで) |
| 利用料 | 無料 |
| アクセスURL | https://www.asante.co.jp/alert/ |
| 対象エリア | 全国(定点観測は福島・栃木・神奈川・静岡・愛知) |
| 更新頻度 | 毎日 |
| 無料床下診断 | 電話 0120-557-419 またはWebフォーム |
| アサンテ会社概要 | 東証プライム上場/創業1970年/資本金11億円/施工実績60万軒超 |
まとめ
アサンテとウェザーマップが3年目を迎えた「シロアリ実況マップ」は、17年分の施工データと気象予測を融合させた国内唯一のリアルタイム群飛監視ツールだ。2025年度は3,000件以上の発生地点がプロットされ、ピークは4月30日と5月7日に集中した。2026年もこの時期に向けて発生数の増加が予想される。
一般家庭はマップと群飛注意報を定期的に確認し、自宅周辺の発生状況に応じて早めの床下点検を検討するのが合理的だ。春はダニの繁殖期でもあるため、床下環境の改善はシロアリだけでなく複合的な害虫リスクの低減にもつながる。害虫駆除事業者にとっては、データに基づく営業戦略の構築に直結する情報源として活用価値が高い。
