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梅雨時期や秋になると、家の周りに黒い虫が大量に現れて困っていませんか?
それ、ヤスデかもしれません。
咬まれることはないものの、壁を這い上がる姿や異臭は不快なものです。玄関の前に大量のヤスデが集まっている光景を目にした方も多いでしょう。適切な対策を知れば、ヤスデの大量発生は防ぐことができます。
この記事では、ヤスデの効果的な対策と予防方法を詳しく解説します。侵入経路の封鎖から環境整備、忌避剤の使い方まで、今日から実践できる方法をお伝えします。
ヤスデが大量発生する原因とは
ヤスデの大量発生には、明確な原因があります。
まず知っておきたいのは、ヤスデは落ち葉などの有機物が堆積して湿度が高く、日光の当たらない場所を好むということ。庭の隅や側溝、壁際など、湿った落ち葉が溜まりやすい場所は要注意です。

ヤスデは腐った植物性のものを食べるため、こうした環境に自然と集まってきます。浅い場所に卵を産み付けるため、下がコンクリートでも落ち葉が堆積していれば産卵場所になってしまいます。
大量発生しやすい時期は、梅雨時と秋の2回です。
梅雨時は幼虫が成長する期間で、雨が続くとおぼれないように集団で水のない場所に移動します。その結果、民家や道路に集まり、これが大量発生の主な原因となります。秋は長雨だけでなく産卵時期と重なるため、さらに大量発生が起きやすくなります。
特に問題になっているのが、外来種のヤンバルトサカヤスデです。台湾原産のこの種は、常に集団で移動し、集団で繁殖をおこなうため、時期になると大量発生しやすい特徴があります。静岡県や神奈川県などでも局所的に確認されており、一度定着すると繁殖力の強さから根絶が困難とされています。
出典 害虫駆除110番「ヤスデの大量発生の原因は時期と環境にあり!事前に備える簡単対策」より作成
ヤスデの侵入を防ぐ環境整備
ヤスデ対策の基本は、環境整備です。
暗く湿った場所をなくす
ヤスデは暗く湿った場所を好むため、草刈や落葉の除去が効果的です。庭の隅や壁際、側溝など、落ち葉が溜まりやすい場所は定期的に清掃しましょう。特に梅雨前の4月から5月、秋の大量発生前の9月には念入りに行うことをおすすめします。
庭の土に水たまりができる状態になると、ヤスデが家の中に入ってくる傾向があります。排水を良くするために、土の表面を整えたり、水はけの良い土壌改良を検討するのも有効です。
物陰を減らす工夫
庭石の裏側やブロックの下、鉢植えの下など、ヤスデの隠れ蓑になりやすい場所を減らしましょう。どうしても置く必要がある場合は、定期的に移動させて掃除することが大切です。

庭の落ち葉を週1回掃除するだけで、ヤスデの発生が減少する傾向があります。習慣化すれば10分程度で終わる作業です。
出典 神奈川県葉山町「ヤスデの発生について」より作成
侵入経路を物理的に封鎖する方法
環境整備と並行して、侵入経路の封鎖も重要です。
壁面に滑る材質のものを貼る
ステンレス材、アルミテープ、養生テープなど、滑りやすい材質のものを塀や壁に貼り付けると効果的です。ヤスデは滑って登りにくくなります。ただし、塀や壁にテープを貼り付けると、剥がす際に粘着の跡が残ったり、塗装が剥がれるおそれがあるので注意が必要です。
階段や玄関周りに養生テープを帯状に貼るだけでも、一定の効果が期待できます。見た目が気になる場合は、透明な養生テープを使うと目立ちません。
あぜシートの活用
あぜシートを家の周囲に設置するのも有効な方法です。地面に沿って設置することで、ヤスデの移動を物理的に遮断できます。自治体によっては、実証実験として配布しているところもあるので、お住まいの地域の環境課に問い合わせてみるのもよいでしょう。
扉の隙間をふさぐ
屋内への侵入を防ぐために、扉などの隙間をふさぐ隙間テープを貼り付けましょう。玄関だけでなく、勝手口や窓のサッシ、通風口など、わずかな隙間も見逃さないことが大切です。

出典 神奈川県葉山町「ヤスデの発生について」より作成
効果的な忌避剤と駆除剤の使い方
物理的な対策に加えて、薬剤を使った対策も効果的です。
木酢液の活用
木酢液は木炭を作る時に発生した水蒸気を冷やして液体に変えたもので、ヤスデはこの木酢液のにおいを避ける傾向があります。天然由来の成分のため、小さいお子さんやペットがいるご家庭でも使用しやすい特徴があります。
使い方は簡単で、家の周囲や侵入されたくない場所に散布します。雨で流れてしまうので、定期的に散布し直す必要があります。
ヤスデ用駆除剤の使用
ヤスデ用の薬剤を、侵入されたくないところだけに帯状に撒くと効果的です。広い場所で使用するのに適しており、家の周りを囲むように撒いておくと侵入を防げます。
ただし、薬剤を使用すると一時的に効果があっても、やがて薬剤が効きにくくなる耐性が生じることがあります。また、人や動植物への影響も懸念されるため、やむを得ず使用する場合には、使用上の注意をよく読んでください。
スプレータイプの駆除剤
急に現れたヤスデを退治するのに便利なのがスプレータイプの駆除剤です。ヤスデは動きが遅い上、ゴキブリと違って殺虫剤への耐性が低いため、駆除しやすい傾向があります。
ただし、駆除される際にヤスデは体から異臭を放つことがあります。異臭によって気分が悪くなることがあるので、駆除する際は注意が必要です。また、焼いたり熱湯をかけて駆除することは、シアン化合物を含む臭気を発することがあるため避けましょう。

出典 EPARKくらしのレスキュー「厄介なヤスデの駆除方法とは?具体的なやり方や効果的な予防策について」より作成
大量発生したヤスデの処理方法
すでに大量発生してしまった場合の対処法も知っておきましょう。
箒で集めて処分する
箒などではたくと、ヤスデは一時的に丸くなって集めやすくなります。集めたらごみ袋にまとめて、漏れ出ないようにきつく縛りましょう。ごみ袋に入れた状態で日光に当てておくと、自ら分泌する毒で自滅します。ごみ袋に薬剤を入れることも効果的です。
死滅後は、戸別収集の「燃やすごみ」として処分できます。
瞬間冷却スプレーの活用
殺虫剤による他への影響が気になる場合は、瞬間冷却スプレーを使用するのもよいでしょう。薬剤を使わずに駆除できるため、環境への影響を最小限に抑えられます。
専門業者への相談も検討する
大量発生の規模が大きい場合や、自分での対処が難しい場合は、専門業者に相談することも検討しましょう。プロの知識と経験で、効果的な駆除と予防策を提案してくれます。
出典 ミツモア「ヤスデを駆除する方法は?特徴や危険性、予防法も紹介」より作成
広域分散を防ぐための注意点
ヤスデの生息域拡大を防ぐことも重要です。
生息域の拡大は、土、落葉、堆肥、植木などの移動時に卵や幼虫などが付いてくる人為的な要因が強いと考えられています。ヤンバルトサカヤスデ発生地の土、落葉、堆肥、植木などを移動させることは、分布拡大につながるので注意が必要です。
庭の土や堆肥を他の場所に移動させる際は、ヤスデの卵や幼虫が混入していないか確認しましょう。特に梅雨前の4月から5月は卵がふ化する時期なので、より慎重に扱う必要があります。
植木を購入する際も、土の中にヤスデの卵や幼虫が混入していないか確認することをおすすめします。信頼できる園芸店で購入し、可能であれば土を新しいものに入れ替えるのも一つの方法です。
出典 神奈川県葉山町「ヤスデの発生について」より作成
まとめ:ヤスデ対策は予防が重要
ヤスデの大量発生を防ぐには、事前の予防が重要です。
環境整備で暗く湿った場所をなくし、侵入経路を物理的に封鎖する。この2つを梅雨前と秋の大量発生前に徹底するだけで、ヤスデの被害は減らせます。
すでに発生してしまった場合も、適切な駆除方法と忌避剤を組み合わせれば対処可能です。ただし、大量発生の規模が大きい場合や自分での対処が難しい場合は、専門業者に相談することも検討しましょう。
ヤスデは自然界では益虫として重要な役割を果たしています。完全に駆除するのではなく、生活空間への侵入を防ぐという考え方で対策を進めることが、環境にも配慮したアプローチです。
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