夏の終わりから秋にかけて、窓を開けるとどこからともなく聞こえてくる「リーンリーン」「ギーギー」といった虫の鳴き声。
自然の音として風情を感じる方も多い一方で、「うるさくて寝れない…」「毎晩、虫の音で起こされる」と悩んでいる人も少なくありません。
筆者自身も「夜中に耳元で鳴いてるんじゃないか？」と思うほどの大音量に悩まされていた一人です。
この記事では、そんな“虫の音が原因で寝れない夜”に効果があった快眠対策を5つご紹介します。実際に試して効果を感じたものばかりなので、同じ悩みを抱えている方の参考になれば嬉しいです。
【原因】なぜ虫の音がこんなにうるさいのか？
夏や秋の虫の鳴き声が増える理由
虫の鳴き声が特に気になるのは、夏の終わりから秋にかけてです。これは、コオロギや鈴虫、キリギリスなどの鳴く虫たちにとって、繁殖のピーク時期にあたるからです。
オスの虫たちはメスを引き寄せるために一生懸命鳴いています。つまり、虫にとっては“命がけのラブソング”なのですが、私たち人間にとっては「騒音」に感じてしまうことも。
また、夜になると周囲が静かになることで、虫の音がより際立って聞こえてしまうというのも理由のひとつです。日中は車や人の声に紛れていた音が、夜になると一気に気になるレベルまで浮き彫りになるのです。
地域や環境によって差が出ることも
虫の鳴き声の大きさや頻度は、住んでいる環境によっても大きく異なります。
例えば、自然が豊かで草木が多い地域では虫の数が多く、夜になると合唱のように鳴き声が響くことも。
一方で、都市部でも近くに公園や草むらがあれば、虫の音が気になることは十分にあり得ます。
また、網戸やサッシの隙間から音が入りやすい住宅構造も影響します。特に築年数の経った木造住宅では、外の音がダイレクトに聞こえてしまう場合もあります。
「こんなにうるさいのはうちだけ？」と思うかもしれませんが、実は同じような悩みを抱えている人は意外と多いのです。
【対策1】窓や網戸の防音対策（100均グッズでもOK）
虫の音が気になる原因のひとつが、窓や網戸から入ってくる「外の音」。特に寝室の近くに虫がいる場合、ガラス1枚・網戸1枚では音を完全に遮断することは難しいです。
そこでまず試してほしいのが、窓まわりの簡単な防音対策です。
窓の隙間テープで音の侵入をカット
ホームセンターや100円ショップで手に入る「すきまテープ」を、窓のサッシや網戸の隙間に貼ることで、外からの音の侵入をぐっと抑えることができます。
特に古い家やサッシに歪みがある窓の場合、すき間風だけでなく音も入りやすいため効果的です。
すきまテープはクッション性のあるスポンジ素材が多く、貼るだけでOKなので工具も不要。見た目も目立ちにくく、手軽に始められる防音対策としておすすめです。
吸音ボードも効果的
もう少し本格的に対策したい場合は、吸音ボードを取り入れるのも有効です。
窓の前に「吸音ボード」を立てておくことで、音を吸収し、部屋の中に響く音を軽減することもできます。
いずれも楽天やAmazonでも購入できますが、まずは100均やニトリなどで試してみるのもアリです。
「とりあえず何かやってみたい」という方は、すきまテープだけでも十分に効果を感じられることがありますよ。
【対策2】耳栓・ノイズキャンセリング機器の活用法
「どうしても虫の音が気になって眠れない…」という人にとって、もっとも手軽で効果的なのが耳栓やノイズキャンセリング機器の活用です。
コスパ重視なら耳栓が便利
静かな環境で眠りたいときや集中したいとき、耳栓があると意外と助かります。
ドラッグストアや100円ショップでも売っているウレタン素材のソフト耳栓は、耳にやさしくフィットして音をやわらげてくれる便利なアイテム。
完全に無音になるわけではないけれど、虫の音やちょっとした生活音が気になる場面では「あると安心」な存在です。
もう少ししっかり遮音したい人や、静けさのレベルを自分で調整したい人には、「Loop Switch 2」みたいなタイプもあります。
私が実際に使って効果が実感できたので紹介します。
これはモードを切り替えて、静寂の度合いを変えられるのが特徴で、音が気になる日常の場面でも自然に使えるのがいいところ。
筆者使い捨てじゃないので、繰り返し使えるのも気がラクです。
耳栓ってちょっとした道具だけど、意外と日々の快適さに影響してくるものかもしれません。
本気で対策するならノイズキャンセリングイヤホン
より快適な睡眠環境を求めるなら、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンやヘッドホンもおすすめです。
AppleのAirPods ProやSONYのWHシリーズなど、高性能な製品は外部の騒音を大きくカットしてくれます。
寝ながら使うには、ワイヤレス＆小型タイプのイヤホンがおすすめ。音楽を流さなくても「ノイキャン（静寂モード）」だけで音が気にならなくなることもあります。
価格はやや高めですが、虫の音だけでなく車の騒音、隣の部屋の音などにも効果があるため、長い目で見ればコスパが良い対策です。
音がないと逆に不安な人は「環境音」を流すのもアリ
静かすぎて逆に虫の音が気になる…という人は、ノイズキャンセリングとあわせて「環境音」を流すのも有効です。
波の音、雨の音、森の音などを流すことで、虫の音が自然と気にならなくなります。
次の対策では、その“環境音”の活用法について詳しく紹介していきます。
【対策3】睡眠導入BGMやホワイトノイズを試してみる
虫の音が気になって眠れないときは、「音を消す」のではなく、「他の音で包み込む」という考え方も有効です。そこでおすすめなのが、睡眠導入用のBGMやホワイトノイズを流す方法です。
最近では、YouTubeやSpotify、スマホアプリなどで簡単に「快眠用の音」を見つけることができます。波の音や小雨の音、焚き火の音、森の音など、自然に近い“環境音”が人気です。
ホワイトノイズは「ザーッ」という一定の音を出すもので、赤ちゃんの寝かしつけにも使われるほどリラックス効果があります。虫の鳴き声のような断続的な音をマスキングするのにぴったりです。
音の種類や音量は人によって好みがあるため、いくつか試してみるのがポイント。あまり大きな音にすると逆に眠れなくなることもあるので、最初は小さめの音量から始めてみましょう。
また、タイマー機能が付いたアプリやスピーカーを使うと、眠ったあとに自動で音を止められるため安心です。
iPhoneでは以下の手順で音を止めれます。
- 「時計」アプリを開く
- 下のタブから「タイマー」を選ぶ
- 好きな時間を設定する（例：30分）
- 「タイマー終了時」をタップ
- 一番下までスクロールして「再生停止」を選ぶ
→ ※音ではなく、「再生停止」と表示されるのがポイント - 「設定」をタップして確定
- Apple Musicやミュージックアプリなどで音楽を流す
Androidではこのアプリを使うのがオススメです。
睡眠導入音をうまく活用することで、虫の音が気にならない快適な夜を過ごすことができます。
【対策4】部屋の配置やカーテンの工夫で音を減らす
虫の音がうるさくて眠れない場合、実は「部屋のレイアウト」や「カーテンの種類」を見直すだけでも、音の感じ方が大きく変わることがあります。
まず注目したいのは、ベッドや布団の位置です。窓や外壁に近い場所に寝ていると、外の虫の音をダイレクトに受けやすくなります。
可能であれば、部屋の奥や窓から離れた場所に寝るようにするだけで、音のストレスを軽減できることがあります。
さらに、使用するカーテンにも注目しましょう。薄手のレースカーテンではほとんど防音効果はありませんが、厚手の遮光カーテンや防音カーテンに変えることで、虫の音を大きく和らげることができます。
最近では、防音機能付きのカーテンがニトリやホームセンター、ネット通販でも手軽に購入できるため、導入のハードルも低めです。
部屋全体の防音性を高めることで、虫の音が気にならない快適な睡眠環境をつくることができます。
【対策5】意外な盲点？寝る前の習慣を見直してみる
虫の音が気になる夜は、どうしても「音そのもの」に意識が向きがちですが、実は寝る前の過ごし方によっても、音の感じ方が変わることがあります。
例えば、寝る直前までスマホを見ていたり、強い光を浴びていたりすると、脳が興奮状態になってしまい、ちょっとした物音にも過敏に反応してしまいます。
これが、虫の音を「うるさい」と感じてしまう原因になることもあります。
また、カフェインやアルコールの摂取も要注意です。眠りが浅くなり、途中で目が覚めやすくなるため、虫の音に気づいてしまいやすくなります。
夜はできるだけ照明を落とし、リラックスできる音楽や読書などで心と体を落ち着ける習慣を意識してみましょう。
寝る前のルーティンを整えることで、音に対する感度が下がり、虫の音も気にならなくなる可能性があります。
ちょっとした習慣の見直しが、静かな夜を取り戻す大きな一歩になるかもしれません。
それでもダメなら…最終手段的な裏ワザ3つ
ここまでさまざまな対策を試しても「やっぱり虫の音が気になって眠れない…」という方のために、最終手段ともいえる裏ワザ的な方法を3つご紹介します。
1. 寝室を変える（部屋移動）
家の構造によっては、虫の音が集中して聞こえる方向があります。
例えば、裏庭や林に面した窓がある部屋だと、どうしても音が入りやすくなります。
そうした場合は、思い切って寝室の場所を変えることで、音から離れるというシンプルかつ確実な方法が有効です。
一時的にでも静かな部屋に移ることで、体調を整えることにもつながります。
2. タイマー付きの扇風機やエアコンで“環境音”を作る
意外かもしれませんが、エアコンや扇風機の「低い動作音」が虫の音を打ち消してくれることがあります。
ホワイトノイズのように音を均一化してくれるため、虫の鳴き声が気になりにくくなる効果があるのです。
就寝中ずっと付けておく必要はなく、1～2時間のタイマー設定で寝入りばなを快適にするだけでも十分です。
3. 簡易的な防音ボックスを自作してみる
少し変わった方法ですが、「寝る場所を囲う」という方法もあります。
ダンボールやカーテン、突っ張り棒などを使ってベッドの周りに囲いを作ることで、音の反響を抑える効果が生まれます。
本格的な防音ルームを作るのは難しくても、こうした手作りの空間で意外とぐっすり眠れるという人もいます。見た目よりも「眠れること」が優先、という人には試してみる価値ありです。
気になる音を遮ることが難しいときは、「音の影響を最小限にする空間」を作るという発想も大切です。
まとめ：虫の音がうるさい夜でも、工夫次第で快適に眠れる
虫の音がうるさくて寝れない――そんな悩みは、夏から秋にかけて多くの人が抱える問題です。
ですが、ちょっとした工夫や対策を取り入れることで、意外と快適な夜を取り戻すことができます。
今回ご紹介したのは、防音グッズの活用や耳栓、ホワイトノイズ、部屋のレイアウト変更、生活習慣の見直しといった実践的な5つの対策。
そしてどうしてもダメな場合には、寝室を変える・環境音を作る・防音空間を作るなどの裏ワザもあります。
音を完全に消すことは難しくても、「うまく付き合う工夫」や「環境を変える知恵」があれば、睡眠の質は大きく変わります。ぜひ、自分に合った方法を見つけて、静かな夜を取り戻してください。